押上の地域で、ゲストが自身の仕事や活動について語る交流イベントが開かれたようです。毎回5人のゲストが登壇し、登壇者が100人に達すると解散する形式で、押上まちづくり協議会と連携しながら地域の有志が運営しているとのことです。
参加者の半数近くは、これまで開かれてきた「墨田区100人カイギ」や「まち活カイギ」を含め、こうした交流イベントへの参加が初めてだったそうです。当日は「会場にいる参加者同士が知り合いになること」を目標に掲げ、ゲストトークの前に3〜4人のグループで自己紹介する時間も設けられていたようです。
登壇した人たちの話から見えてくるもの
最初に登壇した押上一丁目仲町会会長の多賀康之さんは、IT企業での仕事や町会、卓球など幅広い活動を紹介したそうです。商店がマンションや駐車場などに変わってきた押上の街の変化にも触れ、地域コミュニティーの継承や、住民と観光客が共存できるまちづくりへの思いを語ったとのことです。
「ほんわカフェ」店長の井上文雄さんは、都営住宅の集会室で開く地域の集いを紹介し、仕事で関わり始めた活動を異動後も地域住民として続けていると話したそうです。「知らない人ばかりの場所に行くのは勇気がいるけれど、知っている人がいる場所に行くのは楽しみになる」と、初めて訪れた人に声をかけることを大切にしていると伝えたようです。
「半田酒店」店主の半田秀一さんは、酒類販売の規制緩和を見据えてワインの知識を深め、店内にバーカウンターを設けるなど、時代に合わせて店を変えてきた歩みを振り返ったそうです。「酒や食をきっかけに人が集まり、交流を楽しめる店を目指している」と話したとのことです。
「WHISKY BAR MOMO」店主のももこさんは、すみだ親善大使の活動やウイスキー業界に転身した経緯を紹介し、「押上でウイスキー好きがつながるコミュニティーを育てたい」と語ったそうです。すみだ水族館館長の柿崎智広さんは、飼育員や奈良県での地域振興事業の経験、小笠原の人々との交流を紹介し、「生き物を守る人も支えたい」と、水族館を地域の人々の思いも伝える場として捉え、都市と自然をつなぐ活動への意欲を示したようです。
トーク後には登壇者と参加者が交流し、活動について話したり連絡先を交換したりする時間も設けられていたとのことです。今後は隔月で開催され、次回は12月19日18時〜20時、同会場で予定されているそうです。
地域の交流が持つ意味
こうした「100人カイギ」形式のイベントは、日本各地で地域の人同士が顔を合わせる場として広がっているケースがあるようです。特に東京のように人が入れ替わりやすいエリアでは、昔から住んでいる人と新しく来た人が接点を持ちにくい状況が生まれやすいと言われています。商店がマンションや駐車場に変わっていく街の変化のなかで、意図的に交流の場を設けることは、地域のつながりを少しずつ維持していく一つの方法として位置づけられるのかもしれません。
また、「知らない人ばかりの場所に行くのは勇気がいる」という声は、多くの人が感じていることかもしれません。最初は少しハードルが高くても、一度顔を合わせておくと次から行きやすくなる、という経験は少なくないようです。イベントを通じて「知っている人がいる場所」が増えていくことは、地域に長く関わる人にとっても、新しく関わる人にとっても、少しずつ居場所を増やしていくことにつながる可能性があります。
観光客が多いエリアでは、住民と訪れる人がどう共存していくかも課題になりやすいと言われています。登壇者のなかに、地域の変化を肌で感じながら活動を続けている人がいたことは、そうした現実を踏まえたうえで、つながりをどう残していくかを考えるきっかけになったのかもしれません。
まとめ
押上で始まったこの交流イベントは、ゲストの話を聞くだけでなく、参加者同士が知り合いになることを大切にしている点が特徴的なようです。すべての人がすぐに積極的に関われるわけではありませんし、地域の課題がイベントだけで解決するわけでもないでしょう。ただ、「知っている人がいる場所」を少しずつ増やしていくことは、長くその地域で暮らしたり関わったりするうえで、意味のあることなのかもしれません。
今後隔月で続けられていくなかで、どのようなつながりが生まれていくのかは、これから少しずつ見えてくる部分もあるように思います。
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