習慣がなかなか続かないと感じたとき、多くの人は「自分は意志が弱いからだ」と考えがちです。ただ、心理学の視点から見ると、それは少し違うのかもしれません。
難しい行動をいきなり完成形で求めず、できるところから少しずつ近づけていく考え方を「シェイピング」と呼びます。行動を段階的に形づくっていくイメージです。最初から完璧を目指すのではなく、まずは簡単な行動をできるようにして、それができたら少しだけ難しくする。それもできたら、また少し進める。そうやって完成形へ近づけていく方法です。
習慣づくりにおいては、わりと当たり前の考え方だと言われています。ただ、不思議なことに、人は自分自身に対しては真逆のことをしがちです。
運動を始めた初日から「週5で1時間」、勉強を始めた初日から「毎日2時間」、早起きを始めた瞬間から「毎朝5時」。そして続かなかったときに、「やっぱり自分は意志が弱い」と結論づけてしまう。でも実際には、意志が弱いというより、最初から要求している行動が大きすぎるだけなのかもしれません。
最初は腕立て1回でも、本を1ページ読むだけでも、机に座るだけでもいいのです。習慣の最初に育てるべきなのは、大きな成果そのものではなく、「始めることを面倒だと思わない自分」だと言われています。小さく始めて少しずつ大きくしていく方が、結果的に続きやすいケースが多いようです。
関連して、行動を起こしやすくする工夫として「実行意図」という考え方もあります。「いつ・どこで・何をするか」をあらかじめ具体的に決めておくと、行動に移しやすくなるというものです。シェイピングと組み合わせると、「朝起きたらまず机に座る」くらいの小さな行動から始めやすくなるかもしれません。
大きな目標を持つこと自体は悪くないと思います。ただ、その目標にいきなり飛びつこうとすると、挫折しやすくなる可能性があります。まずは「今日はこれだけ」とハードルを下げて、少しずつ近づけていく。そうした進め方の方が、長く続けやすいのではないでしょうか。
習慣は、大きく始めるより、小さく始めて大きくした方がいいのかもしれません。
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