「飲み会に行く人が出世する」は半分本当。出世を決める“横の回線”とは

「会社の飲み会に行く人ほど出世する」

こんな話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

実際、飲み会に参加する人と出世する人には、一定の相関が見られる研究もあります。

ただし、重要なのは「お酒」ではなさそうです。

ポイントは、人と会う回数・顔を合わせる頻度・部署をまたぐ人脈にあると考えられます。

① 出世する人は「人に会う回数」が多い

労働経済学の研究では、飲酒する人のほうが飲まない人より収入が高いという結果が報告されています。

ただ、研究者が注目したのはアルコールそのものよりも「社会関係資本」でした。

つまり、いろいろな人と接点を持っていることです。

会社でも同じで、

「飲み会に何回行ったか」

よりも、

「仕事で関わる人が何人いるか」

のほうが重要なのかもしれません。

② 人は「よく見る人」に親近感を持ちやすい

心理学では、繰り返し接触することで好意や親近感が高まりやすくなる「単純接触効果」が知られています。

これは仕事でも無視できません。

毎週一度顔を合わせる人と、半年に一度しか会わない人。

仕事の能力が同じなら、前者のほうが「よく知っている人」として認識されやすいでしょう。

だから、無理に飲み会で面白い話をする必要はなさそうです。

ランチ、雑談、社内イベント、ちょっとした相談。

こうした小さな接点を増やすだけでも違いが出るかもしれません。

③ 「成果を出す」と「昇進する」は別物

興味深いのが、在宅勤務に関する研究です。

スタンフォード大学などの研究では、在宅勤務によって生産性や離職率が改善した一方、昇進面では不利になる傾向も確認されました。

これは「仕事ができないから昇進できない」という単純な話ではありません。

成果を出すことと、組織の中で存在を認識してもらうことは別の能力だからです。

どれだけ良い仕事をしていても、

「あの人、最近どうしている?」

となったときに名前が出てこなければ、評価の候補から外れてしまう可能性があります。

だからこそ、成果だけでなく「仕事をしている姿が見える状態」を作ることも大切なのかもしれません。

④ 飲み会の代わりは「15分の接点」でもいい

ここまで読むと、

「じゃあ、結局飲み会に参加しないとダメなの?」

と思うかもしれません。

そんなことはなさそうです。

必要なのは、お酒ではなく接点です。

例えば、

・別部署の人とランチする
・仕事の合間に5分だけ雑談する
・週1回、誰かに近況を聞く
・自分の仕事を簡潔に共有する

こうした行動でも、人との接点は作れます。

むしろ、毎回3時間の飲み会に参加するより、15分の接点を何度も作ったほうが効率的なケースもありそうです。

⑤ 最も重要なのは「横の回線」

そして、もう一つ大切なのが部署をまたぐ人間関係です。

同じ部署の人と仲良くすることはもちろん大切です。

ただ、それだけでは情報も評価も部署内で完結してしまいます。

営業、総務、経理、企画、開発など、違う部署の人とつながっていると、普段の業務だけでは入ってこない情報に触れられることがあります。

いわば、会社の中に「横の回線」を持っている状態です。

飲み会が強かったのは、昔の日本企業では、この横の回線を作れる場所が飲み会に集中していたからなのかもしれません。

つまり、

飲み会が出世させるのではなく、飲み会によって人脈が広がっていた

と考えると、いろいろな現象が説明しやすくなります。

まとめ

「飲み会に行く人が出世する」という話は、完全な迷信とも言い切れません。

ただし、出世につながりやすいのは「飲酒」ではなく、

人と会う回数
顔を覚えてもらうこと
仕事を見える状態にすること
部署をまたぐ人脈を作ること

なのかもしれません。

飲み会が苦手なら、無理をして参加する必要はないでしょう。

その代わり、昼休みに誰かと話す。

別部署の人とランチする。

自分の仕事を周囲に共有する。

そんな小さな接点を増やしてみるのも一つの方法です。

出世する人は、必ずしも飲み会にいる人ではありません。
会社の中で「思い出してもらえる人」なのかもしれません。

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