Xでこんな投稿を見かけました。
「4秒かけて鼻から息を吸い、7秒間呼吸を止め、8秒かけて口から息を吐く。これを3セット繰り返すだけで、一瞬で眠れるようになった」
いわゆる「4-7-8呼吸法」です。アメリカの医師アンドリュー・ワイル氏が広めた手法で、ヨガの呼吸法(プラーナーヤーマ)をベースにしていると言われています。特別な道具はいらなく、布団の中でもできる点が、夜更かししがちな人に広がりやすい理由のひとつかもしれません。
基本のやり方
姿勢は、座っても仰向けでも構いません。肩の力を抜き、舌先を上の前歯の裏側あたりに軽く当てておくと、息が安定しやすいとされています。
1. まず口から、フーッと音を立てるように息をすべて吐き切る
2. 口を閉じ、鼻から静かに4つ数えながら吸う
3. 息を止めたまま、7つ数える
4. 口から、細く長く8つ数えながら吐き切る(口笛のような「シュー」という音が出るとよい、という説明もあります)
これが1サイクルです。最初は3〜4サイクルを目安にするとよい、と紹介されることが多いです。1サイクルはおよそ19秒なので、4回で1分前後になります。
秒数は厳密にストップウォッチで測らなくても大丈夫です。大切なのは「吸う時間より、吐く時間を長くする」比率だと言われています。7秒止めるのが苦しい場合は、2-3.5-4のように比率を保ったまま短くしてもよい、という案内もあります。
ワイル氏は、最初の1か月は1回あたり4サイクルまで、1日2回程度から始めることを勧めています。慣れてきたら8サイクルまで増やす人もいるようです。
なぜリラックスしやすいと言われるのか
ゆっくりした呼吸、とくに「吐く時間を長くする」呼吸は、副交感神経(休息・回復側の自律神経)が働きやすくなる、と考えられています。長い呼気が迷走神経を刺激し、心拍数や血圧が落ち着きやすい、という説明がよく見られます。
息を止める時間は、酸素が体内に行き渡りやすい、あるいは「今の呼吸に意識を向ける」ことで雑念が減りやすい、といった解釈もあります。科学的な大規模試験はまだ限られているようですが、心拍数や不安感の低下、睡眠の質の改善を示唆する小規模な報告はいくつかあります。万能の睡眠薬ではない、という前提で捉えるとよさそうです。
期待されやすい変化としては、次のようなものが挙げられます。
• 入眠しやすくなる、という声
• 緊張やイライラが和らぎやすい
• 心拍が落ち着きやすい
• ストレスを感じたときの「切り替え」に使いやすい
日中のちょっとした緊張時にも使える、と紹介されることもあります。ただし、運転中など集中が必要な場面では控えた方が無難です。
やってみるときの注意点
初めて行うと、軽いめまいを感じる人もいるようです。二酸化炭素と酸素のバランスが急に変わるための反応、とされることが多いですが、苦しい・動悸がする・しびれるといった場合はすぐにやめて、いつもの呼吸に戻してください。
胸だけで浅い呼吸のまま無理に繰り返すと、かえって過呼吸に近い状態になる可能性もあります。お腹がゆるく膨らむ腹式を意識すると、負担が少なくなりやすいと言われています。
呼吸器や循環器に持病がある方、妊娠中の方は、息止めの時間を短くする、または医師に相談してから、という注意もよく見られます。深刻な不眠や不安がある場合は、呼吸法は補助的な手段と捉えた方がよさそうです。
続け方の目安
「今夜すぐ効く」人もいれば、数日〜数週間続けてから変化を感じる人もいる、という声があります。ワイル氏自身も「最初は効果が薄く感じても、繰り返すほど効いてくる」と説明しています。
寝る前に1セット、朝に1セット、というのがよく紹介されるリズムです。夜中に目が覚めたときにも、そのまま布団の中で数サイクルやってみる、という使い方もあります。
秒数にこだわりすぎると緊張してしまうので、「吐く時間を長めに」「肩の力を抜く」くらいの気持ちで試してみると、続けやすいのではないでしょうか。
夜更かしが続いた夜や、頭がさえて眠れない夜に、一度試してみる価値はあるかもしれません。合わなければ無理せず、いつもの呼吸に戻せば大丈夫です。
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