誰かの仕事ぶりを見て、「あんまり大したことないな」と感じたとき、それは相手の能力が低いのではなく、自分と大体同じくらいのレベルにあるケースが多いようです。
「自分と同じくらいかな」と思った相手は、実は数段上である可能性があり、「自分よりちょっと上だな」と感じたときは、遥かに格上であることが少なくない、という見方もあります。そして「凄いみたいだけど、よくわからないな」と思った人は、すでに雲の上の存在である、という指摘もあります。
これは、自分の現在地によって、相手のレベルが違って見えるという話かもしれません。能力が低い段階では、自分と相手の差が見えにくい傾向があると言われています。一方で、ある程度のレベルに達してくると、ようやく「この人は自分よりかなり上だ」と認識できるようになるケースがあるようです。
なぜこういった見え方のずれが起きるのか
心理学の分野では、こうした現象を説明する考え方として「ダニング=クルーガー効果」がよく知られています。能力が低い人ほど自分の能力を過大評価しやすく、逆に能力が高い人ほど自分の限界を正確に把握しているため、謙虚になりやすい、という指摘です。
完全に同じ話ではありませんが、今回のテキストとも重なる部分があるように思います。自分がまだその領域を十分に理解できていない段階では、相手の工夫や深さが見えず、「大したことない」と感じやすいのかもしれません。逆に、自分が少しずつ経験を積んでいくと、相手の凄さが少しずつ見えてくる、という流れがあるようです。
また、専門性の高い領域ほど、この傾向は強く出やすいと言われています。たとえば、ある分野の基礎が身についていない段階では、プロの仕事を見ても「どこが凄いのか」がわからず、ただ「普通」に見えてしまうことがあります。基礎が身についてくると、ようやく細部の工夫や判断の精度に気づけるようになる、という経験をした人も少なくないようです。
この見え方をどう活かすか
こうしたズレを知っておくと、他人の仕事ぶりを見たときの印象を、少し慎重に捉えられるようになるかもしれません。「大したことない」と感じたときに、「もしかしたら自分も同じくらいの位置にいるのかも」と一度立ち止まることで、自分の現在地を客観的に見直すきっかけになる場合もあるようです。
一方で、「よくわからないけど凄そう」と感じた相手に対しては、無理に理解しようとしすぎず、距離を置いて観察してみるのも一つの方法かもしれません。すぐに追いつこうとするより、まずは「この人は自分とは違う次元にいる」と認識したうえで、自分にできる範囲で近づいていく方が、結果として成長につながるケースもあるようです。
もちろん、すべての人がこの法則に当てはまるわけではありません。ただ、自分より上の人を正しく認識できないまま進んでしまうと、成長のペースが鈍ってしまう可能性はあるのかもしれません。逆に、「わからない」と感じたときに「この人は自分よりかなり上なんだ」と受け止めておくことで、学びの姿勢を保ちやすくなる場合もあるように思います。
まとめ
他人の仕事ぶりを見たときの印象は、相手の絶対的なレベルではなく、自分の現在地との相対的な位置関係で変わってくることが多いようです。「大したことない」と思った相手は自分と近い位置にいて、「よくわからない」と感じた相手は、すでにかなり上の存在である可能性が高い、という見方です。
こうした見え方のずれを知っておくと、自分の立ち位置を少し冷静に見つめ直すきっかけになるかもしれません。すべてのケースに当てはまるわけではありませんが、もし最近「この人の仕事は大したことないな」と感じた経験があるなら、一度自分のレベルと照らし合わせてみてみるのも、ひとつの視点になるかもしれません。
X(旧Twitter)でも働き方や自己成長、情報発信について発信しています。よかったらフォローしていただけると嬉しいです。
@passboxblog