紙だけじゃない教科書へ。学校教育法改正で学びはどう変わりそうか

先週から多くの学校で新学期が始まりました。今回は、先の国会で成立した『学校教育法等の一部改正法』について、簡潔に整理してみます。

教育は人づくりの礎であり、国家百年の計ともいわれます。子どもたちが学ぶ内容について「分かった」「楽しい」と感じる機会を増やすことが、能力を伸ばすうえで大切だとされています。高市内閣では、教師の指導力向上や教職員の増員に加え、デジタルの活用による教育環境の整備も進めているようです。

何が変わったのか

これまで日本の教科書は、制度上「紙」しか認められていませんでした。今回の改正で、音声や動画などのデジタル要素を教科書の一部として取り入れることが可能になりました。

ただし、今使っている紙の教科書をすべてデジタルに置き換えるものではありません。英語や美術、音楽など、デジタルが活きやすい教科がある一方、学年や教科の特性を踏まえることが重要だとされています。何でもデジタルにすればよい、という考え方ではないようです。

長年の紙の教科書の取り組みの上に、より分かりやすく、学びやすくなる場面でデジタルを取り入れていく、という位置づけです。

日本の教科書制度の特徴

日本では学校に教科書の使用義務があり、義務教育段階では国が無償で配布する教科書を使って学ぶ仕組みになっています。こうした制度は世界でも珍しく、高い教育水準を支えてきた要因の一つと指摘されています。

改正後もこの無償配布の枠組みは維持され、デジタルを含む形態も対象になる見通しです。形態としては「紙」「紙とデジタルのハイブリッド」「すべてデジタル」の3つが想定され、教育委員会などが選ぶことになります。

導入は次期学習指導要領が小学校で本格実施される2030年度以降が目安とされ、デジタル部分も検定の対象になることで質の担保を図る方針です。小学低学年や国語・社会・道徳などでは、全面デジタルを認めない方向も示されています。

視力への影響や現場負担、端末環境の格差といった課題も指摘されており、指針づくりが今後進む見込みです。

紙の良さとデジタルの特性をどう組み合わせるか。子どもたちの「分かった」「楽しい」が増える方向で活用が進むかどうか、これからがポイントになりそうです。

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